季節の暦七十二候は、今日から「霞始靆」に入りました(2月24日~28日)。
「靆」の文字は「たなびく」と読む。
となれは、「かすみはじめてたなびく」なので、意味はそのままズバリ。
山のほうでは、少しずつ春めいてくると「霞始靆」なんだろうけど
山に囲まれた地域では、春になると、朝方、山並みに白く霞がかかるようになる。
奈良に実家を持つ知人は、その様子を眺めて「ああ、佐保姫さまの衣の裾だ」と思いながら育ったのだそうです。
佐保姫さまは、奈良の東側にある佐保山(現代の地図では、平城山(ならやま)丘陵)に宿るうら若き女のカミサマ。
彼女は春のカミサマでもあって、毎春、白くやわらかな衣を纏って奈良の盆地に春を運んできたんだって。
いい話なだぁ。
…ですが、東京にいては霞も霧も体験ならずなんですよねぇ。
なので、霞を作って遊んでみました。
ふふふっどうです?
ついでながら、モノを眺めるときも、人知れず霞をかける。
って、正体、手漉きの和紙。
ポストカードと。
渦や梅の模様は、漉く過程で、水滴を散らしてつくるんだって。
(どちらも、王子の紙の博物館・ミュージアムショップでGETしました)
それを、晴れた日の窓辺のふんわりかけて、1日過ごしてみたら…ぽかぽか陽気に柔らかなヒカリ。
…眠くなりました(笑)。
東京の冬の日々は、空気は澄んで冷たく、天気の良い日は、景色もキリッとクリア。
ですが、春めいてくるにしたがって、あたりがなんとなくぼんやり穏やかに見えてくる。
春眠暁を覚えず…の原因は、あるいは、このぼんやり優しい風景にあるのかもしれません。
…って違う?
◆今日は、2015年2月24日/旧暦1月6日/睦月辛未の日
◆日の出 6時18分 日の入17時31分/月の出 9時40分 月の入23時28分