梅雨空が似合う白い花といえば、くちなしは代表格。
じめじめ鬱陶しい中、ふと爽やかに香って、ついでにその白さで微かな灯りをともす感じ…っていったらいいかしら?
ところで、こっちの花は、暗い雨続きの日々にパッと明かりがさすごとく咲く。
泰山木(たいさんぼく)の花が、パッと目覚めたように咲いていました。
見つけたヒト(←私)のほうも、いきなり目覚めさせられた感じ。
皇居東外苑の本丸跡には、泰山木の巨木があって…。
泰山木といえば、そこそこに広いお庭がある御屋敷街に、やっとひと花見つけて喜ぶもの…と思っていたら。
さすが、皇居の庭はスケールが違う。
緩く長い坂をあがって、遠目に見えたあの大木に咲く白い花は???
(って、ちょっと見難いですね。写真をクリックすると少し大きくなりますので、どうぞ)
と、大量に咲く花に誘われるように近づいてみれば…。
おっ!
泰山木の花じゃん!
ぴっくりっ!
しかも、普段は、上の方に咲いているのを首が痛くなるほどに仰いで見る花のはず。
それが、こんな寄った写真が撮れるぐらいに、樹木の下の方まで花が付く…んだっ!
そして、こんだけ近づけば微かな香りすら感じられもして、いゃあ、トクしたよぉ。
ついでながら泰山木の花の七変化まで堪能。
つぼみは、電球みたいでスイッチいれたらマジでパッ!とつきそうです。
このとがったのが、だんだんまあるく膨らんで…。
膨らんで…。
そして、散る。
散るのは花弁のみですが、残ったモノがこれだけ大きいと、違う花みたいな存在感です。
これは、このまま育ってどんな実になるんだろう?
皇居東外苑は、かつて江戸城があった場所にして、平成の世は、たぐいまれな植物園である。
皇居東外「苑」とあるから、ココは、もちろん本来は「庭園」。
なんでしょうが、植物たちは、カタチをゆがめられることなく、植生のママのびのびとして、彼らの春夏秋冬を観察するにはもってこいの場所。
実は、各々の花や樹には、植物園のように名札もつけられ、ガイドまでいるんだって知ってました?
これで、入園無料。
ある時、こんな素晴らしい一冊に巡り合い。
『皇居東御苑の草木帖』(木下 栄三 技術評論社)
その価値を再認識。
以降、私も皇居の庭のヘビーリピーターと相成りました。
今年は、これで早7回目の訪問です。
街で見つけて、図鑑でもよくわからなかった植物たちも、この由緒ある場所のおかげで、かなり身近になりました。
しかし、泰山木の花が満開!
…って光景は、私の場合、いまだココでしか目にするコトはありません。
そして、だからこそ一度はおススメ。
ちょっと感激しますよ。
◆今日は、2015年6月18日/旧暦5月3日/皐月乙丑の日
◆日の出4時25分 日の入18時59分/月の出5時57分 月の入20時07分