8月11日は、江戸噺家三遊派の大名跡・三遊亭圓朝さんの御命日、圓朝忌です。
ご近所のさんさき坂には、8月に入ると、こんなのぼりがはためきます。
数年前までは、圓朝さんを偲んで「圓朝まつり」が賑々しく開催。
今は、「圓朝まつり」の名前は残されているものの、三遊亭圓朝が眠る谷中・全生庵で、落語家さんや、一般の落語ファンが集まってしめやかに法要を行うのみになったみたい。
(といっても、さすが落語家の法要ですから、今日は、奉納落語があったり、境内で扇子のお焚き上げがなされたりするようですよ。それと、8月22日には圓朝寄席もあるみたいです。)
それでも、私の記憶の中には「圓朝まつり」の賑わいがあるもんだから、圓朝忌と聞くと、ああ、もう夏は中盤だなぁ。
なんてやや、淋しく
……ならないです。
まだまだ、暑すぎて、淋しさのかけらも湧いてこないです。
ああ、圓朝さんっ!どうしてかなぁ。
寺の本堂で幽霊!…眺めたら、ぞくっと涼しくなるかもね
「圓朝まつり」の期間は、毎年8月1日から末日まで。
圓朝忌の法要を挟んで、その前後一ヶ月間、圓朝さんが、怪談創作の参考に収集したとされる幽霊画が一般に公開されております。
…つまり。
そんなに暑い暑いというなら、幽霊画でも拝んで、少しはしゃっきりするってのもいいんじゃあねえか?
ってコトですかね圓朝さんっ!
たしかに、公開場所は、谷中・全生庵。
一応、お寺の境内で幽霊ですから、見れば、ぞーっと涼しくなる?
いや、実際それらを鑑賞すると、ちょっと違うイメージなんですよねぇ。
円山応挙らが描いた幽霊画コレクションが醸し出す、涼やかさ
…って言ったらいいでしょうか?
夏の熱風のあとに、ふっとささやかに混じる涼しい秋風みたいな感じ。
それが、夏の疲労を和らげるような、実は、日本画の幽霊画には、そんな不思議な魅力があります。
この街は、「圓朝まつり」と諏方神社「大祭」で夏を越す
…って、街の掲示板の話なんですが。
ふふふっ、今年も並んで貼られています。
この街の夏は、お化けと落語とお神輿担ぎでピークを迎えるってのはホントの話。
この事実に初めて気が付いた時は、田舎育ちの私には、それがなんだかとっても粋に感じられた。
お化けの魅力で、不思議とほっと一息ついて
⇒落語で笑って元気をためて
⇒祭りで高揚感に酔う。
なんて感じで、夏の暑さをやり過ごし、あれれ?という間に秋が来る…はずです。
たぶん、きっと…そのはずです。
おまけ:2015年は、上野の東京藝術大学大学美術館でも幽霊に出会えますよ
7月22日から東京・上野の東京藝術大学大学美術館で『うらめしや~、冥途のみやげ展―全生庵・三遊亭圓朝 幽霊画コレクションを中心に―』が、谷中圓朝まつりと並行して開催中。
北斎、暁斎、応挙らの幽霊画50点が見られるみたいですよ。
◆今日は、2015年8月11日/旧暦6月27日/水無月己未の日
◆日の出4時56分 日の入18時36分/月の出1時43分 月の入15時58分