旧盆帰省も、もう送り火を残すのみ
…ああ、なんだか早いですね。
ご先祖さま方も、「もうおくられるのか?」と驚いていそうな…。
福島の街でも、規模はそう大きくありませんが、打ち上げ花火がけっこう盛んで、8月に入ると、あっちの川岸、こっちの公園と、夜空に唐突に花火が上がる。
とすれば、今日もどこかの街で、大輪の花火が打ちあがって、ご先祖様をお見送りする。
…なんてことがあるかもしれません。
盆の入りには、コンビニ花火でご先祖様をお迎え
ってのもありました。
盆法要をしていただくお寺では、高校生までの参拝者には、この花火が贈られますが、これで送り火もしてね。
ということでしょうか?
まあ、それはさておき、いろいろ入ってますねぇ。
私としては、花火を楽しむよりも、このカラフル&キッチュデザイン眺めて楽しみたい気分。
送り火は、しめやかに線香花火で
コンビニ花火にも、線香花火が入っていますが、どうも刺身のつまあつかい…な気がしてきにくわない。
できれば、線香花火だけの商品があったらいいのになぁ…。
と、今年も特別調達。
こちらから調達しました⇒山縣商店オリジナル線香花火
線香花火は、正真正銘日本人の発明って知ってました?
隅田川花火で上がる掛け声「たーまやー!」「かーぎやー!」は花火屋の名前。
その「鍵屋」が玩具花火として売り出し⇒ほどなく大ヒットした商品だそうです。
最初は、葦や藁の管の中に火薬を入れて作られて、手に持って斜め上方に向ける。
あるいは、火鉢や香炉に立てて楽しんだりしたらしいです。
ああっ!だから「線香花火」ねっ!
その後、藁の代わりに和紙に火薬をつけて長く手で縒ってつくる形状になり、下にたらしてそっと火をつけ楽しむ、なじみの線香花火が生まれたみたい。
ちなみに、私たちにも馴染みの線香花火は「玉屋」の考案。
玉屋は、もともと鍵屋の番頭から独立を許され、江戸一のアイデアマンといわれたのだとか。
「線香花火」には、深いイノベーションの歴史があるんですねぇ。
線香花火と併せて寺田寅彦の「備忘録」もちょい読みしたり
寺田虎彦の「備忘録」は、さながらブログを綴るよう。
ふと気が付いたコトをつれづれにまとめた作品なんですが、そこに「線香花火」という短文があり。
描かれているのは、線香花火の鑑賞法。
線香花火が静々と燃え輝く様子を、「牡丹」→「松葉」→「菊」と順に推移するとは、お見事な見立て!
学者らしくややくどくどと言い表してしまう部分もなんどなしにおっちゃめでカワイイ。
私は、手持ちの『寺田寅彦随筆集 (第2巻)』 (岩波文庫)収録のモノを読んで、線香花火の予習としゃれ込む。
kindle版『備忘録』ならば0円だし、青空文庫(仰臥漫録→夏→涼味→向日葵とスクロールしてゆくと線香花火にたどりつきます)にもあるので、これから線香花火を楽しむ予定のある方必読です。
◆今日は、2015年8月16日/旧暦7月3日/文月甲子の日
◆日の出5時00分 日の入18時30分/月の出6時17分 月の入19時12分
↓『寺田寅彦随筆集』は、持ってて、時々好きなページを気ままに読むのが似合う本。