季節の暦七十二候は、今日から「蟋蟀在戸」に入りました(10月19日~23日)。
「きりぎりすとにあり」と読んで、きりぎりすが、戸口で鳴くころ…というそのまんまの意味です。
かつて「虫聴き」という風流な遊びがあって、今も向島百花園などに残っていることはこのブログにも書きましたが、その時期は晩夏。
ええっと、秋の虫って、こんな秋深まっても鳴いているんですかねぇ。
向島百花園の虫聴きは、園の創始者佐原鞠塢(さはらきくう)の追善供養やら、8月15日の行事放生会やらに併せたものだから、ちょっと早いか?
いやいや、このブログを書くにあたっての参考書『東都歳時記 2 (東洋文庫)』に当たってみても、虫聴きは、<夏の末秋の始より>とあり、旧暦7月(新暦だと8月~9月)の行事だったみたいです。
うーむ。
じゃあ、やっぱあそこに行って耳を澄ましてみようか。
どこかって?皇居の庭です!
過ごしやすい季節になるとなにかと足を運ぶは皇居東御苑。
この場所、東京のど真ん中とはいえ、広大なもんで、街の喧噪が皆無。
二の丸庭園の雑木林あたりは、ひとっこひとりいないため、もしや、虫も鳴いてないか?
…という算段です。
叢に耳を傾け、しずしずと歩く…と。
どんぐりが大量に落ちていましたっ!
おおっ!こっちはクヌギのどんぐりだ!
もうこんな時期なのかぁ…。
木の枝に青々と実りはじめだったのが、つい最近な気がしてたけど…ああ、あれは9月中旬だったみたい。
もうひと月たったのかぁ…。
同じころ、初めて見たウドの花も…。
ちょっと、脱線してませんか?私っ!
ああ、そうだっ!目的は虫の声だった!
結局、虫の声はうんともすんともなんで、皇居の庭を後にして帰路。
日暮れも早くて、最寄り駅に着いた頃には、とっぷり暮れた…ああ、まだ6時まえだってのになぁ。
…と。
ご近所の空き家から、「リリリリ」という…ああ虫の声!?
いやいや、それはコオロギでしょ?
キリギリスは「ギース・スイッチョン」
実は、江戸時代の暦・「貞享暦」では、「蟋蟀」=コオロギと呼び。
明治時代に作られた「略本暦」では、「蟋蟀」=キリギリスなんだとか。
つまり、まあ、鳴いてれば、どんな虫でもいいってことにしょう(笑)。
で、虫たちも、野原じゃあ寒すぎて、秋が深まるにつれて、虫たちは人家に近づいてくるのかな?
…ってコトかしら?
だから、「在戸」戸にあり→戸口で鳴く。
これって都合よく解釈し過ぎ?
◆今日は、2015年10月19日/旧暦9月7日/長月戊辰の日
◆日の出5時50分 日の入17時02分/月の出11時05分 月の入21時35分