故郷やどちらをみても山笑ふ
と子規が詠んだ光景はここにも。
子規の故郷は、四国松山ですが、私の故郷も同じような光景。
帰省して、鄙びた駅のホームから、見上げれば…目覚めつつある吾妻小富士。
今年は、5月に入っても「種まきウサギ」が健在です。
これが登場すると、平地の苗代の種まきシーズン到来、福島にも春!…ってことなんですが、今年は初夏になってもまだ出てます。
前足部分の雪が融けて、ウサギがジャンプしているみたい。
このまま、飛び跳ねてどこかへ行ってしまうのもまじかかなぁ…と。
雪降り積む雪山の光景は、「山眠る」なんですが、種まきウサギの居る光景は、「山笑う」の微笑部門って感じでしょうか?
山は微笑⇒含み笑い⇒破顔…と変化して
里の近くは、立派に「山笑う」
視界をもっと近くに持ってくれば、初夏の山々は、様々な緑が芽吹いて山笑う。
ふーむ、確かに、山が陽気に笑っているような。
子規の和歌は、こっちのほうがぴったりな光景でしょうか?
ちなみに「山眠る」「山笑う」の元ネタは…。
古代中国の山水画家・郭煕(かくき)という方による画論『臥遊録(がゆうろく)』の一文。
「春山淡冶にして笑うが如く 夏山蒼翠として滴(した)たるが如し
秋山明浄にして粧うが如く 冬山惨淡として睡(ねむ)るが如し」
と、春夏秋冬ありまして…。
次の帰省は「山滴る」の夏かぁ。
そして、あっという間に「山粧う」の秋。
ああ、早いなぁ。(←先走ってうらぶれてます)
ってことで、今日は、陽気にほほ笑む山々に見送られて、帰京です。
◆今日は、2017年5月8日/旧暦4月13日/卯月乙未の日/月齢11.6日
◆日の出4時42分 日の入18時33分/月の出16時04分 月の入3時22分