東京都心に「奇跡の森」と密かに呼ばれる場所、知ってます?
そこは、かつて、樹木などほとんどない荒れ地だったという。
約100年前。
その界隈にあるカミサマを祀る場所=神社が建てられた。
そして、ならば、鎮守の森が必要なのではないかと、森を創るプロジェクトが始まった。
その神社は「明治神宮」。その周囲を巡る神宮の森の成り立ちは、まさに奇跡…なのである。
まずは、林学、造園学などの専門家たちが、知恵を出し、樹木それぞれの植生を考え考え出された鎮守の森のスタイルは…。
「ヒトの手を加えなくとも永遠に続く森」。
まあ、カミサマの森だからね。
主となる樹木は樫(かし)、椎(しい)、楠(くすのき)などの常緑広葉樹。
それら、森の樹木に肥料はやらず。
代わりに落ちた木の葉を木々の根元の土に返し、土壌を豊かに保つと考えた。
当時、「御神木なら杉だろう」という時の首相・大重信隈の強い意向もあった中、そこを根気強く説き伏せて、その森は創られた。
だから、冬めいてきた今頃は、木の葉がはらはらと落ち降り積もり。
都心とは思えないたたずまいを醸す。
ときどき、もくもくと木の葉を掃いて集めて、集積する…をシゴトとする職員の方に出逢うのも好ましい。
そして、出かければ、そこは、勝手に育ったように見える、自然の森そのものなのである。
今日の「文化の日」は、明治神宮のご祭神となった明治天皇の誕生日。
暦で「文化の日」とみれば、ああ、かつての「明治節」→明治天皇の誕生日ね→明治神宮→神宮の森→植生の豊かな、野鳥も野生動物もいる奇跡の森と思考が巡る。
で、今日の日が纏った歴史や矛盾もろもろをすっ飛ばし、ああとりあえず「奇跡の森」に散歩に出かけたいなと思う。
いつもは、この時期は東北帰省中。
今年は、ちょっと早めに帰省して、帰り、今日は東京にいることだし。
調べてみれば、もう菊の展示もあるみたいだし。
「文化の日」は、神宮にある「奇跡の森」のコトを思ったり、出かけてみる日になったりしている今日この頃です。
◆今日は、2018年11月3日/旧暦9月26日/長月己亥の日/月齢25.0日
◆日の出6時04分 日の入16時44分/月の出0時56分 月の入14時23分