今日は、杉浦日向子さんの誕生日。早世の作家の江戸噺を今年の今日も。/旧暦10/23・丙寅

学校ではもっと江戸の庶民史を教えてくれればよかったのに。

思春期の終わりギリギリに出会った、杉浦日向子という作家と、その著作『百日紅』

百日紅

書店でひときわ輝く美しい表紙に惹かれて手に取って、葛飾北斎を通して描かれた江戸の暮らしを垣間見た。

そこに描かれている江戸人たちは、いずれも魅力に満ち溢れ、モノの少ない暮らしは、かえって豊かに見えた。
この生きざま、暮らしざまのほうが、為政者に焦点を当てた江戸史よりもずっと重要なんじゃないかしら…とも感じたり。

で、素朴に「学校ではもっと江戸の庶民史を教えてくれればよかったのに」と思ったものでした。

以降、二巻、三巻と続編を揃え、ますます、江戸人たちの暮らしに興味津々。

百日紅

20世紀に買った3冊は、21世紀の私の書棚にまだ、ちゃんとあります。
そして、私の江戸時代への深い興味関心も、もっと学ぼうと思う意欲も、ぜんぶその最初は杉浦日向子さんの影響。
ふふふっ😊。

ってことで、今日の杉浦日向子さんの誕生日には江戸のコト。

『百日紅』は、もちろんオリジナルバージョンも、数年前に文庫化されたのも取り出して、他にも別の著者の江戸時代の本をいろいろ。

江戸本ここから今日は一冊、あたらめて取り出し読み始める予定。
さあて、どれから読み始めようか?

江戸人たち暮しは…。

たとえば、狭い長屋の暮らしは、最低限のモノしかもたない潔さ。
しかし、モノとの相対し方は、この現代よりももっとずっと豊かである。

暮しのまにまに、「妖怪」とか「魑魅魍魎」たちの気配が見え隠れする。
江戸人たちは、それを畏怖しながらも、「そうゆうものだから、しかたない」と受け入れる、排除しない、無視しない。

そうした暮しが、その時代の人々の死生観を創っていった。

…なんかね。
こうした、江戸と言う過去から学ぶことって、実は、今のニッポンの閉塞感。
それをパーッと解決してくれるような気さえする。

ああ、だからさ、大河ドラマだって、戦国時代と幕末ばっかりやってないで、江戸の庶民をテーマに繰り広げればいいのになぁ。
葛飾北斎を主人公にとかどうですか?

杉浦日向子さま。お誕生日おめでとうございます。

現代に生きていれば、今日でまだ60歳。
ああ、ホントに早く逝ってしまったんだなぁ…と、少し寂しく思う今日。

だけど、江戸の庶民の暮らしや文化を巡る思考がまたくるくる回って、学ぶ意欲も湧き出るような、そんな一日でもありますよ。

◆今日は、2018年11月30日/旧暦10月23日/神無月丙寅の日/月齢22.8日
◆日の出6時31分 日の入16時28分/月の出23時55分 月の入12時25分