如月・午の日は初午祭

2月に入ったら、今年の午の日がいつなのかちょっとばかし注意しましょう。
ちなみに、2014年2月の午の日は、本日2月4日、16日と28日になり、それぞれ初午、二の午、三の午と呼びます。

毎月午の日は、お稲荷さんのご縁日、そして2月最初は初午祭

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2月の最初の午の日は特別で、総本宮の京都伏見稲荷大社をはじめとし、各地の主だった稲荷神社では、様々趣向を凝らした初午祭が行われます。

もちろん、伏見稲荷の初午詣は、前日・巳の日から社殿の前には参詣者で埋まるほどの人気だそうですが、もしかすると、近隣のコミュニティーがお守りする小さな稲荷祠でも、「稲荷大明神」と書かれた幟が新しくなっていたり、お使いの狐さんに供える油揚げがちょっと高級だったり…と、ささやかながらも縁日らしきことが執り行われているかもしれません。
初午の日、二の午、三の午と、午の日は、ご近所のお稲荷さんをちょっと覘いてみることをお薦めします。

午の日=縁日の由来はその伏見稲荷大社のルーツにあります。

伏見稲荷は、朝鮮半島の新羅からの帰化人・秦伊呂具氏が、稲荷山の三ヶ峰に三柱の神を祀ったのがその始まりとされ、その日が和銅4年(711)2月の初午の日でありました。
それがたまたまだったのか、朝鮮半島とか秦家の由縁にのっとるものなのかは定かではありませんが、とにかくその日が午の日。
それから延々1300年、2月午の日はお稲荷さんにゆかりある日であり続けています。

当時、全国的に季候不順で穀物の稔りの悪い年が続き、それが、そもそも稲荷山に神さまを祀った理由なのだそうですが、お祀りしたのち、天候は回復、五穀がたくさん稔り周辺の国は富み栄えたのだとか。
「そりゃあ、ありがたい」と噂が噂を呼んだのかどうかはわかりませんが、後に、この伏見稲荷から、日本各地にお稲荷さんが勧請されること多数。
稲荷信仰は、赤い鳥居と狐さんとともに日本全国津々浦々まで広がりました。

御利益にも地方色

お稲荷さんは、その名の「稲」の字からも明らかなように、もともと五穀豊穣の神、農業の神。
それが、勧請された場所の特徴に併せ、商業神になったり、屋敷神になったりとなぜか柔軟に変化してゆきます。

これが、お稲荷人気を支えるの秘密のような気がしますが、そのご利益じたいも、信仰するものの希望に応えるように、どんどん違うモノを引き受けていきました。
お稲荷さんってずいぶん心が広い神さまです。

なので、たとえば、火事に悩まされた江戸東京地方は、お稲荷さんのご利益に「火防せ」があがる神社が非常に多いのです。
午の日のお稲荷さんにお参りしたら、ぜひともそのご由来も確認してみてください。
江戸東京のお稲荷さんなら、ほぼ必ず「火防せ」の御利益が在るはずです。