啓蟄来れば、七十二候は、蟄虫啓戸/旧2/8・戊寅

二十四節気が「啓蟄」の3月6日あたりから、七十二候のほうは、「蟄虫啓戸」に入りました。

「すごもりむしとをひらく」と読みますが、これって、「啓蟄」の意味(=「啓」は「ひらく」、「蟄」は「土の中で冬ごもりしている虫」)と同じですね。

二十四節気と七十二候は、これでもかっ!というぐらい、同じ季節の事象に、あえて違う表現やアイテムを使うきらいがあって、実は、これってちょっと珍しいのです。

過去半月ぐらいの七十二候をふりかえってみましょうか。

「雨水」の初候「土脉潤起」(凍っていた土が潤って)
⇒次候「霞始靆」(霞がたなびきはじめ)
⇒末候「草木萠動」(草木が芽吹き)と、春をゆっくり追ってきて、
⇒「啓蟄」の初侯「蟄虫啓戸」(虫や蛇、蛙なんかがもぞもぞと土の戸を開く)。

(二十四節気ひとつに対して七十二候が3つ組み合わさる関係で、七十二候は、早いほうから順番に初候・次候・末候と呼ぶ決まりになっています。)

こう並べてみると、あえて同じ言葉を使って「いよいよ、いきもの登場!」の喜びと驚きを強調したかったのかな?
なんて思えますね。

といっても、「啓蟄」に入ったあたりからまた寒さがぶり返し。
せっかく出てきた一昨日の蛙
どうしているかなぁ~とやや気になるところです。

それでも、確実に春はやってきてるよという証拠をひとつ。

「立春」二日後の2月6日に訪ねた小石川植物園の桜並木
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こちらは、「啓蟄」二日前の3月4日の同じ場所
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地面の色に注目ください!
雪が降ろうと、冷たい風が吹こうとなんのその、もう、明らかに緑が濃くなってますよ!

これから、お彼岸までの半月あまり、三寒四温を繰り返しつつも、希望の春は、ゆっくり手順を踏んでやってきます。
古くからの暦は、それをゆっくりゆっくり追っております。

◆今日は、2014年3月8日/旧暦2月8日/如月戊寅の日/上弦の月