鳥居には巨大なたわし?いやいや初卯祭の藁大蛇/旧2/9・己卯

2月の午の日は、お稲荷さんのお祭りですが、3月の卯の日も忘れちゃならない。
今度は、八幡様のご縁日、初卯祭があるようです。

といっても、八幡様すべてで行われているというわけではなくて名称や祭りの作法も千差万別。
私の一番のお気に入りは、川崎市白幡八幡大神の初卯祭。

3月最初の卯の日の出向けば、めっぽう珍しいモノが拝めるというので、数年前。
川崎市の「宮前平駅」という今まで降り立ったこともない場所へ行きまして、駅からは、さらにバス…って私にとってはやや途方も無く遠かった。

バスは、住宅地を抜けてゆくが、かつては、そうとう奥深い山と谷であったことには想像に難くなく、降りたったバス停は「白幡八幡前」。
なのに、前にあるのはコンビニ…ってどうよ。

道行くひとに聞いてみると。

「ああ、あの寺かなぁ…だとすると。」
「いや、神社なんですけど」
「それ風の建物はこの辺にそれしかないからバス停を間違ってなければ大丈夫だと思いますよ。しかし、あれって、神社なの?」

いや、そこで降りたバス停名が嘘でなければ間違いはない。
すでに「前」ではないのでやや嘘だけどね…。

道行く人は、寺と神社の区別が雑なわりには、道順を教えるのは丁寧で、しかし、そこはバス停から意外に複雑に徒歩5分。
全然バス停前じゃない場所に、ようよう到着。

もちろん、そこは立派な神社で、鳥居も八幡宮の文字もある。
白幡八幡鳥居もちろん「八」の字は、向かい合うハトで、鎌倉の八幡様と同じです。

そして、その先には石段があって、見上げると上った先にはもう一つの鳥居。

その、鳥居には…巨大なたわし??
麦わら蛇1

いやいや、これこそ私が見たかったもの、白幡八幡大神の縁起物、藁で編んだ蛇です!

全長さ1丈(約3m)、体や顔は藁で編んであります。

麦わら蛇2

お顔のほうをよく見れば…。

麦わら蛇3

角は牛蒡、舌は長い人参を2つに裂いたもので出来ています。
目も野菜ですが、八つ頭で作っているのだとか…うーん、大きな蕪にしか見えませんが。

尾のほうを眺めてみれば、木片で作った剣までたてられている。

麦わら蛇4

荒っぽいがユニークで面白い意匠、けっこうな迫力です。

この蛇の意味は不詳なのですが、白幡八幡大神のホームページによれば、この行事は八幡講、現代的に言えば八幡信仰をよりどころとする地域のグループが担い手となっているそうです。

講の構成メンバーで、それぞれ協力して「大蛇を作る」「的を作る」「お高もり」(椀に飯を高く盛り上げたもの)を神様に供えるなどしてお祭りを盛り上げる。
地域の人々に支えられる祭日でもあるのです。

八幡様は、応神天皇を主神として、比売神、神功皇后を合わせて八幡三神。
武士から崇敬された武運の神ですが、これは、五穀豊穣を願う神事。
この地域では、農耕神でもあるのですね。

さてさて、白幡八幡大神の初卯祭は、3月最初の卯の日で、今年は本日3月9日!

ああ、今年も、藁の大蛇が私を呼んでいる..ような気がします。

◆今日は、2014年3月9日/旧暦2月9日/如月己卯の日

◎白幡八幡大神⇒公式サイト交通案内と問合せ
※サイトには、正確な日にちが記載されてないので、出向くなら電話確認をしたほうがいいかと。見る価値あるモノだけど、遠かった。やってなかったら涙。