大壁朝顔も満開で、明日からは下町の朝顔市です!/旧6/9・丁丑

古いビルの壁を覆うように飾る琉球朝顔。
ご近所に住むものとしては、我が町自慢の風景のひとつです。

2011年3月11日の震災被害を受けて、その存続が危ぶまれ、しかし朝顔の主によって再生が施されました。

いまも、全景を見れば、こんな風に痛々しい姿ではありますが、

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ブルーの花は、きっちり誇らしげに咲いています。

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この朝顔をご覧になりたければ、地下鉄千代田線の根津駅までいらしてください。

行き方はこうです。

根津駅についたら、1番出口から外に出て、目の前に横断歩道がありますので、そのまま渡ってください。
そして、道なりに、寺町を通る善福寺坂をだらだらと上ります。

左手に玉林寺という寺の山門が見えたら、そこで止まる。
そして、いったん来た道を振り返ります。

と、そこに、見上げるほどに高いところから咲く朝顔の群れ。

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傷ついても、きちんとよみがえった、下町・谷中の夏の自慢の風景です。

この朝顔は、多年生の宿根性。琉球朝顔と申します。

朝顔は一年生植物で一度咲いたら種を残して枯れてしまうのが普通と思っていた私。

なので、最初この光景に出会ったときは、「毎年、種を植えここまで育て上げるんだろうか!?」
…と、自分で育てるのでもないくせに、やや気が遠くなりかけました。

しかし、この品種は、根も茎も残して越冬して大きくなる品種なんだそうです。

それでも、4月の桜が終わったあたりに、この朝顔の主は、律儀に琉球朝顔の手入れをしている様子です。
枯れた蔓をきれいにとって、蔓が這いやすいように、屋上から新しい紐を伝わしなおす…。

四階建てぐらいのビルの壁面ひとつを掃除するかの作業にも見えますから、小学生の観察日記にもなる普通の朝顔とはさすがスケールが違うものだと感心しきり。
琉球朝顔の開花は、そんな春先から、毎年、その前を通るたびに楽しみにしていたことのひとつでもあります。

そして、震災の後も、同じ苦労を淡々と行っているようで、今年はどうかなぁ…と、6月上旬ごろから注意して眺めていますが、朝顔は毎年きちんと元気で、ホッとします。

朝顔の壁の開花は、朝顔市の知らせでもあるようです。

最初ポツポツと少しずつ咲きはじめ、そろそろ遠めに見ても朝顔が満開といった雰囲気になる頃。

その朝顔を眺めながら善福寺坂をさらに登り、どんどん歩って山手線をまたぐ跨線道路橋を越えた先、入谷の町では、江戸情緒ある朝顔市のはじまりです。

例年、この朝顔リレーは、6月下旬に壁一面の琉球朝顔→7月上旬に入谷の朝顔市と、メインコーナーを走り抜けます。

そして、それが終わると、そろそろ初夏の頃に種植えをした家々のプランターの朝顔が蔓を伸ばして大きくなるという順番。
庭やベランダの一年草の朝顔がポツポツと花咲かせるのは、しばし間をおき、7月中下旬あたりから。

といっても、職人が手をかけた朝顔市の鉢は案外丈夫で、うまく世話をすれば、長く花を咲かせた朝顔市の行灯見立ての鉢と、プランターの朝顔が仲良く花を咲かす光景も夢ではありません。

そして、大壁の琉球朝顔はといえば、開花から数ヶ月たっても、さらに元気で、花の青はより深みが増したようになってゆく。
だからリレーというより、仲間をどんどん増やして朝顔ムードを高めながら街をいろどってゆく感じでしょうか。

東京の下町の盛夏は、こんな風に、さまざまな朝顔で彩られる季節到来。

実は、谷中の大壁朝顔ももとは朝顔市で求められたものを地面に下ろし、なんとここまで見事に育ったものなんだそうです。

◆おまけ:2010年夏の大壁朝顔です。

20100702壁の朝顔

◆鬼子母神の朝顔市

◎下町の朝顔市・入谷の朝顔まつりは→7月6・7・8日/開催時間5:00~23:00(入谷鬼子母神内)→公式サイト
◎鬼子母神 夏市→7月6・7・8日/開催時間6:30〜22:00(雑司ヶ谷鬼子母神内)※夏祭り内で、朝顔が売られます。→鬼子母神サイト

◆今日は、2014年7月5日/旧暦6月9日/水無月丁丑の日