いつのまにか道端いっぱいに白粉花(おしろいばな)が咲いています/旧7/4・壬寅

街には、いつのまにか白粉花(おしろいばな)が咲いています。

おしろいばな黄色と赤

白粉花の小路まであります。

おしろいばなの小路

古い家屋に似合いますね。
家とおしろいばな

緋紅色、桃色、黄色に白色、それらの色がツートンカラーに交わったものまで、しかも一株にいろいろな色の花を咲かせるのがこの花の特徴。
夏も中盤を過ぎる今頃になると、いつの間にか街のあちこちにわらわらと咲き始め、そう気づくやいなや、どこを向いてもこの花が視界にはいるようになる。
そして、その頻度が日に日に高まっていくような気さえします。

が、今年は、梅雨明け宣言ののち、なんか一斉に目立つようになった。
うーん気のせいかな?

白粉花(おしろいばな)が咲くのは、夏は夕方から秋口から昼間

実は、陽射しの強い真夏の間、白粉花は、昼間硬くつぼみを閉じていて、開花は夕方になってから。

太陽が西に傾き、少しだけ日差しが減って、人々がほっと一息つきそうな頃。
いつもの路地を曲がって家路に向かう途中に、そろそろ花咲く白粉花に出会うことがあります。

20100711夕暮れ時のおしろいばな

その花の咲き様を受けてか、祖母の世代はこの花のことを「夕化粧」と美しい名で呼んでいたのを思い出します。

しかし不思議なことに秋も近づき昼間の日照力が弱まってくると、やがて白粉花は、徐々に午前中から開花するようになります。
だから、やたらと目に付くころには、あたりの空気はもう秋の気配をはらんでいるというわけです。

が、しつこいようですが、今年は、夏の始まりからなんとなく存在感を出している白粉花。
梅雨が長すぎたことによる、ちょっとした反逆でしょうか?

白粉花は、種も花も、ごっこ遊びの強い味方

もう少しすると、同じ一株の中には花と一緒に黒く熟した種も実り、ままごと遊びに興じる少女たちは、それをこっそりと収穫するのが楽しみなはずです。
小さく黒い釣鐘みたいな種を、先のとがったものでこじ開けるとか木槌で一発。

そうして、中から白い粉を取り出し、自分の鼻の頭にちょいとつけ鏡をのぞく、ああ、大人の使う白粉(おしろい)みたいです。

それが面白くなり、今度はお友達のほっぺとか首筋とか、隙を見つけては、つけあって、「やだ、変なところにつけないで」とか言って、きゃあきゃあと遊ぶ。

この、種の中に隠し持った白い粉こそが、「白粉花」の名の由来なのです。

白粉花は、種もさることながら、花もごっこ遊びの強い味方で、たくさん集めて絞った汁は自然天然の着色料のごとく。
指先に塗ってマニキュアとか、もっと大量に絞って水を加えてジュースにどうぞ…とか、利用価値が多大。

そうとう熱中した少女時代の日々を思い出しましたが、あれはちょうど夏休みのころの遊びだったんですね。

この花は、個人宅の庭の花というより、街に勝手に生えてきて繁殖した感じで、位置づけとしては、草花というより雑草が近い。
街中にこれだけあれば、それぞれの株から、少しずつ花をいただいて、ジュースの実験。

黄色のおしろいばな

ところで、この黄色いのは、やはり黄色いジュースになるかな?

そして種をいただいて、中身を出して白粉つくりに興じてみたくなったりもして…。

いつしか、街を歩きながら、ついつい虎視眈々と白粉花を探しています。
ふふふ、これって、花を愛でる姿勢としてはいかがなものか…。

それでもなんだか楽しくなって、大人になっても、ついつい毎年こんな風に白粉花に遊んでもらっております。

◆今日は、2014年7月30日/旧暦7月4日/文月壬寅の日