さつま芋の収穫は、まだ残暑の9月から遅くとも11月はじめ頃
やっと秋めいてきた10月のある日、ある畑のさつま芋の収穫を手伝って、ホクホクとして写真をパチリ。
…とした経験もあるし。
スーパーの棚もこの頃に、さつま芋がぐぐーんと値下がりをします。
実際、「スーパーの宅配も、芋ばかりが続いて」
…と友人から、サツマイモをおすそ分けいただき、嬉々としてきんちゃく芋を作ったのも9月頃。
そういえば、西東京の秋の風物詩ともいえる目黒不動の甘藷まつりだって10月下旬だし。
(ああっ!今年は行くのを失念しましたっ!)
だから、さつま芋の旬は、秋めいてきた頃なんだと思っていました。
さつま芋には旬が2回あるようですよ。
9月から10月=さつま芋の旬というのは、間違いではないのですが、実は、もう一回旬が来るらしく。
それが、収穫からふた月ぐらい置いた12月から、あけて1月ぐらい。
しかも、2回目の旬のほうが食べごろなんだそうです。
…って知ってました?
「さつま芋ってね、
収穫したら少し時間を置いて、水分を蒸発させたほうがうまいんだよねぇ」
とは、ご近所の八百屋さんの言。
芋からほどとく水分が抜けると、甘みが増してゆくんだとか。
ふーんなるほど。
で、買ってきました2度めの旬のさつま芋。
もしかすると、八百屋の主の巧みなセールスにのせられただけ?
…な気もしますが、確かに、9月より、ずいぶん立派なモノが安く売られるようになってました。
江戸時代の飢饉対策だったさつま芋
このさつま芋。
日当たりが良く、水はけが良ければ、痩せた土地のほうが栽培に適すという、考えてみれば稀有な作物。
しかも、砂地で栽培も可能とか。
ということで、幕府は飢饉対策としてさつま芋栽培が奨励され始めたのが江戸時代。
その普及に一役買ったのが、さつま芋の効用などをまとめた『蕃薯考(ばんしょこう)』の著者でもあった青木昆陽。
ちなみに、先の目黒不動の「甘藷祭り」は、青木昆陽の命日10月28日を由来としたお祭りでもあります。
昆陽は、薩摩藩から苗を取り寄せ、江戸小石川植物園ほか、千葉の幕張や九十九里など痩せた土地を選んでの試験栽培の苦労をへて、広く東日本にもさつま芋の栽培地を広げ、飢饉に苦しむ農民たちを救ったとされます。
さつま芋は、戦乱の世が終わって平和になって、徐々に増え始める日本人の人口をカロリー面でも栄養面でもきちんと支え、今にも繋いだ重要な作物。
つまり、さつま芋は、額に汗して普及につとめた学者・青木昆陽とともに、ある意味、日本史の隠れたヒーローであるかもしれません。
さあ、そんな中味も歴史も充実のさつま芋。
どんなふうに食べようか…。
まずはいちばん簡単。
仮にさつまいもがいまいちでも美味しくなるリンゴ煮にしてみました。
さつま芋もりんごも厚めにスライス。鍋に交互に重ね入れ、レモン汁を適当に振って、水を少々。
トロ火で加熱。
うーん、美味い。
このさつま芋なら、蒸かしても、さつま芋ごはんにしても美味しいかも。
ごま塩をふっていただくと、極上の味!
なんですよねぇ♡♡
ああ、そういえばアレはどうかな?
冬の風物・石焼いも!
あのさつま芋も、そろそろ街に登場する頃じゃあないかな?
石焼き芋、待ってるよ~!!
◆今日は、2014年12月4日/旧暦10月13日/神無月己酉の日
◆日の出 6時34分 日の入16時28分/月の出14時59分 月の入 3時49分