七十二候は「葭始生(あしはじめてしょうず)」に入りました。そして今日は旧暦の3月3日!だから…/4/21=旧暦3/3・丁卯

季節の暦・七十二候は、昨日の二十四節気「穀雨」とともに、「葭始生」の時期に入りました(4月20日~24日)。
「あしはじめてしょうず」と読んで、水辺に育つ「葭(あし)」は芽吹き始めたという意味です。

ちなみに、「葭(あし)」は、「葦」とも書くし、どちらも「よし」とも読んだりする。
川の下流域の水辺や、干潟など湿った土地に広い葭原をつくる植物で、水辺に近しい暮らしをしていた江戸人には慕わしい植物だったんだろうな。
それが芽吹いてきたというコトは、水辺にも春がやってきたというコトね。

ふーむ。
東京ではどうなんだろう?

昨年は、同じ水辺というコトで、近所の不忍池で、「葦」の代わりに「蓮」の生育具合など眺め、そこに春を感じようと出かけてゆきました
(⇒七十二候は「葭始生」。つまり水辺も春ってことです。/旧3/23・癸亥

が、ゴミみたいなのしか生えてなかった…という悲しい思い出(笑)。

やっぱ川べりだよなぁ。

といっても、河川工事&護岸工事がばっちりなされた東京地方。
川や海はあっても、それと地面のあわいでもある「水辺」ってあるんだろうか?

ということで、とりあえず、近所だからという理由で荒川へ。

もちろん荒川だって、護岸工事はばっちりだけど、その工事が施された川の中に平坦な土地=河川敷があるってコトで、それは一応水辺では?
…って微かな期待。

さてさてどうかな?

江北橋の袂 荒川
うーん。
野草・雑草はけっこう元気に育ってるみたいだけど…。

枯れた草と芽吹いて育ったのと半々という感じ。

荒川

で、肝心の「葦」は?といえば…。

護岸工事

ああ、護岸工事のせいで育つ余地なし…なんだなぁ。
ああ、がっくし。

と、がっくししつつも、春のさなかに水辺観察で思い出したモノ→連想したモノひとつずつ!

今日は、旧暦3月3日だよね!とすれば…っ!

旧暦時代の雛祭りを少し調べてみると、御馳走を持って山や野へ、そして海や水辺へ遊びに繰り出す「春のピクニック」みたいな行事が多かったみたい。

桃の節句、お雛さまの行事は旧暦時代にできたモノ。
なので、マジで春さなかの暖かな日々の中で行われたものだったですねぇ。

ちなみに、昨年閏月が挟まって9月が2回あったせいで、今年の旧暦3月はいつもより遅く、しかも、なんだか毎日荒天。
…それでも、新暦3月3日よりはずっとそれらしい。

とすれば、コレは草餅だね!
水辺の葦はあきらめ、そのまま荒川の土手から、バスを乗り継ぎ、新井薬師の門前へ。

ふふふっ!草餅GET!

…いや、草団子だけどね。

草団子

形状が団子なだけで、上新粉にヨモギの葉っぱ(ここのは乾燥じゃなくちゃんと生のを使っている)を混ぜてこね&蒸して作ったものだから草餅とおなじ。

えっ!
なんで、3月3日の春ピクニック連想で草餅かって?

根拠は以下。

根拠1:紅・白・緑の菱餅の緑の部分も草餅にするのが正式なもの。なので、雛祭りのお祝いに草餅を食べる習慣もあったのではないかと推測。
根拠2:今は、旬なしの「草餅」も、かつては蓬がなければ作れなかった。で、蓬はいまごろの草。

⇒ということで、持参した重箱の中には、草餅がつめられていたんじゃあないか。

実際、荒川の水辺に葦があったかどうかは不明だけど、ヨモギの新芽は大量に目についた。
開いたお重には、つぎなる草餅の材料をつめてほくほくと帰るなんてこともあったかもね。

うーん。楽しそうだ(←自分の勝手な想像に寄っております・笑)

私も、目についた蓬を摘んで、蓬餅を造るべきだったかなぁと一瞬思うも、あの土手では、ワンちゃんたちがたくさんお散歩してたしなぁ…。
やっぱいいや(笑)。

というコトで弘法大師様ゆかりの草餅(団子だけど)を、旧暦3月3日を記念していただきますっ!

草団子

ここの団子は、餡子がたっぷりついてくるけど、草餅(団子だけど)だけでも、野趣なヨモギの風味が効いててめちゃくちゃ美味しい。

ああ、ココロに「葭始生」じた気分。
爽やかな季節到来ですね!

あっという間に去ってゆくから、とにかく活動的に過ごしたく思いますっ!

◆今日は、2015年4月21日/旧暦3月3日/弥生丁卯の日
◆日の出 5時02分 日の入18時19分/月の出 6時52分 月の入20時58分