どうも今年は、蕗の旬を逃したみたい。
4月の末に、筍といっしょにスーパーの棚に並んだのは知ってたけれど、ちょっと法外に高かったので様子見に。
そのまま、東北の街でゴールデンウィークを過ごした時は、庭に蕗が出放題だったんで、そのまま油断。
以降、東京では待てども蕗は登場せず。
…みたいです(涙)。
今年は、なんでも早く始まって早く終わる気配濃厚みたいです。焦るなぁっ!
ということで…。
今年は、実山椒もハシリをGET!
こちらの実山椒の旬は、たしか6月。
しかし、これも逃すと、なんだか何もせずに季節が動いてゆくみたいでちょっと癪に障るってもんです。
高い値段も躊躇せず、買ってきてしまいまいました!
こんな量で、350円っ!
高いっ!旬の時なら250円ぐらいだよ!
と思うけど、活用し甲斐があるのでまあ良しとしましょう。
山椒の実と日本人の付き合いは、なんと古代から!
…なんだよなぁ。
なんてことを考えつつ、まずは下ごしらえです。
根気よく小枝から外すのが、もやしのひげをとる作業とどっちが大変かしらと思うほどの面倒さです。
が、そこをあえて高尚なコトを考えつつ乗り越えてみる。
たとえば…。
・縄文時代の遺跡から山椒の実が入った土器が発見されたんだよね、たしか。
…とかね。
・つまり、約3000年も、私たちは山椒のお世話になってる計算かぁ。すご過ぎだなぁ
…なんて。
・おっ!実山椒のカタチって、けっこうステキなんだよなぁ。
…と脱線し。
このままピアスとかブローチとかにどお?
・で、もとに戻して、『古事記』。
あそこ登場するのは、古名の「はじかみ」の名でだったかしら?
そこで、にわかに下ごしらえを中止して、書棚へ向かい、ちょっと調べたり。
ああ、あった!
戦いに臨む兵士たちへ送った、神武天皇の歌。
「みつみつし久米の子らが垣本に植ゑし椒(はじかみ)口ひひく吾は忘れじ撃ちてしやまぬ」
みつみつし=チカラあふれる久米の子たちが
垣根のわきに植えたハジカミ
口がひりひり忘れはしないぞ
みな撃ってこそ止めようぞ(『口語訳古事記』 三浦佑之著)
「山椒がひりひりするように忘れられないほどいまいましい相手だから、みんなでがんばって討ち取ってこい」
と、敵のにくにくしさを、山椒を使って表現した模様。
あとは、たっぷりの水に浸し一晩
その後の手順はけっこう楽。
1.水に一晩浸したら、ザルにとって水切り
2.鍋のお湯+塩で、4~5分下茹でして灰汁をとる
3.2をザルにとって、流水で洗う。
4.海水ぐらいの濃度の塩水(水量の3%の塩)を沸かして、3をゆでる。今度は、20分ぐらい。
茹でた水のまま瓶につめて、保管します。
活用法としては…。
・煮魚やだしをとったあとの昆布で佃煮を作るときに入れる。
・しらす干し+醤油+酒とともに炒り煮する。
で、いちばん好きなのは、
・ひき肉のそぼろ煮を作るときに、ひき肉に少し混ぜるという使い方。
このひき肉をいろんな料理にちょびちょび使うと、山椒がうまく隠し味になってちょっと複雑な味になるんです。
我が家の食卓は、こうしてしばし山椒の隠し味に満たされてゆきます。
って、ああ、いよいよ夏だわぁ(←苦手なのね。だけど、山椒があれば少し許せる)
◆今日は、2015年5月19日/旧暦4月2日/卯月乙未の日
◆日の出4時34分 日の入18時42分/月の出5時29分 月の入19時41分