昨日、図書館にて、ほぼ気まぐれと言うか、たまたまと言うか、柳田國男の年表をぼんやり眺めていたところ…。
1910(明治43)年6月14日に、かの『遠野物語』発刊の文字を発見。
おおっ!明日(つまり今日)は『遠野物語』発刊記念日じゃん!
…と、やや興奮気味に心の中でそっと叫ぶ(笑)。
柳田國男の『遠野物語』の存在は、東北育ちには特別
…のはずなんだがどうだろう?
実は、とりたてて同じ東北出身者に確認したことがないのでわからないのだけれど、少なくとも私にとってはそうゆうもの。
つまり、言ってみれば、豊穣なる田舎・東北育ちの矜持を作った大きな理由のひとつ
…であることは疑いない。
ってコトで…。
我が『遠野物語』関連の蔵書(?)を書棚からひっぱりだして、並べる。
発刊記念日というコトは、『遠野物語』の誕生日みたいなもの。
なので、今日は、それを祝って遠野物語を紐解きつつ、岩手の真ん中にある美しい遠野の街のことを考えてみようかと思った次第。
ああ、けっこう残ってました。
(というのも、我が混沌としていた書棚も、この間ずいぶんたくさんの本を処分したんで…もしや?と思ったのでした。)
私の「遠野物語」の入り口は、高校時代に夏休みの宿題かなにかで読んだ岩波文庫。
…のはずだが、その後に出版された、井上ひさし氏の『新釈 遠野物語』 (新潮文庫)
のほうが平易で記憶に残っているので、大人になってから買った一冊。
つい数年前には、大好きな水木しげる氏に漫画化などされてしまって、気になってしかたがなく買ってしまった、『水木しげるの遠野物語』 (ビッグコミックススペシャル)。
さらに、その漫画を深く読むため、同じ時期に購入した柳田國男『遠野物語―付・遠野物語拾遺 』(角川ソフィア文庫)。
あれれ?
京極夏彦氏による新解釈『遠野物語remix』まで持っていた…。
(いつ買ったのか実は記憶になくて…図書館で借りて面白かったので買ったのかな?)
『遠野物語』の初版刊行から100年目の2010年に、急にドバッ!と出版されたんで、あれも欲しいこれも!となったのをかろうじて抑え、超厳選して購入した…ってことも思い出しましたっ!
『遠野物語』は、河童やら座敷童子やらが住む
…らしい遠野の民話を元にした物語
…って、今や超有名なお話なので多くは語りませんが一応ちょっと。
この物語は、遠野に住む佐々木鏡石(喜善)氏の家を柳田國男氏が夜な夜な訪問。
その佐々木氏の訥々とした話を根気よく聞き取って書き上げたものとされる…遠野に伝わる民話、伝承、怖い話などなど、不思議ワールドをまとめた物語。
そして、この遠野の物語は、もともと農商務省のエリート官僚の柳田國男氏を民俗学者の道へいざなってしまうほどのチカラをもった魅力的な話でもあったのです。
ってコトでとりあえず読み始めましょう!
本日は、水木しげる氏による漫画版『遠野物語』を一話ずつ堪能し、そして、その後原文にあたってみる…なんて、読み方を楽しみつつ、東北の妖怪ワールドを堪能してみようかと。
ああ、なんか、東京で物語を読むだけじゃなく、リアル遠野に行ってみたいなぁ…。
ちらっと、読み始めただけで、なんだか、東北方面へと旅情を誘いまくります。
◆今日は、2015年6月14日/旧暦4月28日/卯月辛酉の日
◆日の出4時25分 日の入18時58分/月の出2時34分 月の入16時25分