桜の咲く頃は、路地の鉢植えにも、もうひとつの桜が満開。
そりゃなんだ?
桜草ですよ。
奇しくもこいつも「桜」の名を纏った花らしく、公園やらメインストリートの並木道は、堂々ソメイヨシノがピンクに染めているけれど、裏路地や住宅街の彩りは、私が担当!
とばかり、大張り切りで咲いてるみたいに見えますがいがが?
たとえば…。
家々が肩を並べた軒下やフェンス塀にぶらさけられたりの鉢植えには桜草。
家のエントランスを覆うかのように鉢植えが並んでるってのも多いね。
定休日のお店前には、やっぱり桜草が可愛く並ぶ。
気づけば、街は、桜草だらけです。
「我が国は 草も桜が 咲きにけり」
ってのは、小林一茶が詠んだ句ですが、
この意味するところは、桜草の花見は桜の花見と同じぐらい、重要な位置づけを持っていたってコト?
桜草の小さな花に近寄ってみれば、花のカタチも桜と瓜二つ。
…と思ったら案外似てない…かも?
まあ、そんなことはいいのかも。
同じく、春らしいピンク色だもんね。
江戸時代には、隅田川上流の尾久原…現在の荒川区のあたりの原野が桜草の名所でもあって、河川敷は一面桜草のピンク色で染めつくされたそうですよ。
花の季節になれば、そこに着飾った江戸人たちが出かけ、ご馳走を食べ酒を酌み交わし、桜草摘みなどを楽しむ様子が、江戸の花名所のガイドブック「江戸名所花暦」にも描かれています。
春は、見え上げれば桜、見晴るかせば、足元からずっと向こうのほうまで桜草なんてことになれば、想像するだに、なんとも美しくうらやましい光景ですがね。
ああ、街の桜草もいいけれど、一度、野原に群生するのも見てみたいなぁ。
実は、江戸時代の名勝地は、荒川流域の一部に残されています!
その多くは、度重なる治水工事や開発などで桜草の群生地は範囲を狭められてしまいましたが、さいたま市桜区田島ヶ原は、1952年に特別天然記念物に指定された場所。(⇒公園へ行こう!桜草公園(さいたま市桜区)
現代でも、4月中旬の今ごろには、一面ピンクに染められた野原を眺めることが可能なよう。
他には、王子の浮間ヶ原桜草圃場にも、同じく4月中旬桜草が群生して咲くみたい。
今年は行ってみようかなぁ~!
…なんて、毎年いまごろそう思うのですが、街の桜草の盛りと若干ずれるものだから、ついつい忘れちゃうんだよなぁ。
◆今日は、2016年3月29日/旧暦2月21日/如月庚戌の日
◆日の出5時32分 日の入18時00分/月の出23時06分 月の入8時53分