今日は、おりがみの日にして、世界平和記念日です。千羽鶴つながり?/11/11=旧 閏9/19・丙戌

折り紙は、辺の長さが、1:1:1:1の正方形。

折り紙

…なので、今日、11月11日は、折り紙の日なんだそうです。

多くの記念日同様ややこじつけの感はありますが、今日は第一次世界大戦終結を由来とした世界平和記念日でもある。

そこに、「千羽鶴」に代表される「折り紙の日」を持ってきたのは、すごく素敵なセンスではないかと思います。

折り紙の起源・発祥は、実は謎

えっ?
折り紙の発祥ってニッポンじゃないの?

紙を折って精巧なカタチを作るといえば、手先の器用な日本人固有の文化。
だから、日本発祥と思いがちですよね。

しかし、ヨーロッパにも似たような文化があるんだそうです。

そもそも紙の発祥は中国。
ならば、折り紙も中国由来のものじゃないの?
…という説もあるらしい。

折り紙の英語訳は、そのまま「origami」

日本語の「origami」という言葉は、欧米ではそのまま通じ、しかも「日本人なら、ちょっと折ってみてくれないか」などといわれたことも1度限りのことではない方、多いんじゃあないでしょうか。

そういう意味では、発祥や起源はどうあれ、折り紙は、立派な日本の文化。

ならばと折り始めれば、鶴に…。

折鶴

奴に袴。

奴 袴

風車と紙風船。

風船 風車

風車は折り方を変えれば二双舟に。

舟

蛙は難しかったぁ~ので、ちょっと不恰好

蛙

いつのまにやら頭ではなく手先が覚えているのは、ごくポピュラーな折り紙のカタチです。

そして、折ったそれらをひとつひとつ眺めてみれば、それはみな古いニッポンのカタチでもあって、少なくとも、作者不詳のアノニマスな折り紙の意匠。
つまり「伝承折り紙」と言われるカタチとその折り方は、日本発祥であることは確かなはずです。

紙はカミサマに通じるもの?

私たち日本人の祖先は、大陸から紙の製法が伝えられるや、そこに時間をかけてさまざまな工夫を凝らし、まずは、薄く丈夫な「和紙」というものを作りました。
それを住まいの扉や仕切りに使い、菓子などをちょっといただく皿に使い…。

そもそも、仏典を写すなど、なにかを記録するものだった紙がずいぶん広い用途を持つにいたったものです。

そして、紙がカミサマに通じるということなのかどうなのか、供物をそれで包んで神事にも用います。
紙で包むことを思いつけば、包みを解いて、そこに折ったしるし=折り目を発見するのは容易でもあって、今度はそれこそを美しく折って飾ろうとした。

この、微細なこだわりこそは、まさに日本人らしいといえましょう。

伝承折り紙のカタチの多くは、室町時代発祥、広がったのは江戸時代。

さまざまな風俗・行事と同じく、折り紙が、庶民の文化になったのも江戸時代。

当時は、紙の生産量も増え、だれもが気軽に紙を使う余裕もできた。
そんなこんなが重なって、かたくるしい作法はさておき、折り方そのものを楽しもうとするようになったようです。
多くの人が日常の遊びとして、紙を折って、面白かったり美しかったりのカタチを生み出す。
江戸時代には、多様な折り方も生まれ、それを書物にまとめる人も現れます。

そして、明治時代には、幼児教育の現場にも導入、今にいたる。

現代の創作折り紙などは、創り出した作家への尊敬をこめて立派に著作権を認められることにもなっています。

こんな風に振り返れば、私たち日本人は、紙に囲まれ、それを折って、ずっと暮らしてきた民族といえるかもしれません。
折り紙という文化は、やはり正真正銘日本のものだ…と、さまざまな小さな状況証拠がそんな風に語っていますね。

◆今日は、2014年11月11日/旧暦 閏9月19日/長月丙戌の日
◆日の出 6時12分 日の入16時37分/19番目の月・寝待月(ねまちづき)の出20時27分 入9時49分