季節の暦、七十二候は、今日から「紅花栄」に入りました(5月26日~30日)。
読みは、「べにばなさかう」。
「紅花が盛んに咲く…紅花が盛りの頃」といった意味でしょうね。
七十二候で私がいちばん好きなのは、3月はじめの「桃始笑(ももはじめてさく)」ですが、次に好きなのがこの「紅花栄」。
七十二候は、花が咲くコトを季節の目安にしたコトバが多いのですが、繰り返す平凡さを避けたかったのか「咲かす」表現するにも違う文字を当てたみたい。
使用した文字は「笑」「開」「栄」「華」「香」「結」の7つ。
それが、またいちいちぴったりくる気がするもんだから、コレの暦を作ったヒトのセンスの良さが偲ばれますね。
で、「紅花」のみに当てられた咲く=「栄」の文字。
しかも「紅花栄」は、七十二候日本バージョンのオリジナルでもあります。
かつて紅花といえば、染料や口紅の原料として非常に珍重されたモノ。
ただ飾ってあたりを華やかにする観賞用の花とは一線を画す、「富」に直結する花でもあった。
だからかどうか、紅花が咲く=栄える。
平成の世にも、すごくぴったりな感じがするんですよね。
ってコトで、紅花を飾ろうかな
…と探せど、実は、数日前まで、ぜーんぜん見当たらず。
うーむ。
今年の「紅花栄」の紅花飾りは果たしてどうなることかっ!
と心配しましたが、今年も無事にGET!
つぼみも開いたのも混ざってこのボリュームで648円なり!
やっすーい!
というのも、この花、1本にたくさん花が付いているからこそなんですねぇ。
実は、全然見当たらなかったわけでもなくて、一ヶ所だけ、一輪250円(=1本に花ひとつ)というお店があったんですが、もう花は終わりかけで、葉っぱはドライフラワー状態。
これってぜんぜん「栄えてないよぉ」ってコトで、それは、とても買う気になれませんでした。
それを思えば、信じられないこの生きの良さですっ!
実は、すごーく不思議なんですが…。
この日のために、毎年、ちょっと早めから気にして花屋さんをのぞくのですが、紅花が登場するのは、きまって「紅花栄」の時期に入る直前。
(早くから、紅花があっても、上記のお店のように、お話にならない場合も含むなんですけどね。)
これって、なんでなんだろう?
仮説1 不思議でもなんでもなくて、「栄」えるというほど、たくさん咲くから、市場でも安く仕入れることができるってコトか?
仮説2 もしや「紅花栄」を意識したマーケティング戦略?←もしもコレだったら、世間での「七十二候」の浸透ぶりってすごいかも
仮説3 花屋さんたちのこだわりとか?←「紅花栄」なんだから、やっぱ花屋としては、紅花を売らないわけにはいかないだろう…的な?
…うーん。
やっぱよくわからん。
とにかく飾れたんでまあいいか。
しかし、大量に安く売られる紅花を見て、「そういえば、毎年そうなんだよなぁ。慌てるコトなかったなぁ」と思う繰り返しは避けたいなぁ。
ちなみに、現代の紅花一大産地は山形で、そこで、紅花が「栄えるほどに咲き誇る」のは、実は七十二候の時期とはちょっとずれて7月ごろなんだそう。
するてーと、この紅花は、どこから来たものなのかな?
ここまできっぱり明るい花なんですが、やや謎めいた素顔がありそうで、毎年振り回されてる気分の私です。
◆今日は、2015年5月26日/旧暦4月9日/卯月壬寅の日
◆日の出4時29分 日の入18時47分/月の出11時50分 月の入0時06分